「子どもにやる気を出してほしい!」そんな風に思ったことはありませんか?

頑張ってほしいからこそ、子どもに「やる気を出して!」と言いたくなりますが、それでは子ども達のやる気は奪われてしまいます。

モチベーションに関する研究で世界的権威である、ロチェスター大学の心理学者エドワード・デシ教授らの実験から、「友だちに教えるために、勉強している子どもの方が成績がよい」ということがわかりました。

子供は他の人に教えることでやる気を出す

実験は、43人の大学生を対象に行われ、脳機能に関する記事を家に持ち帰って学ぶように指示するものです。その大学生たちは2つのグループに分けられました。
・1つ目は、その内容についてテストをすると伝えられたグループ
・2つ目は、その内容について他の人に教えるように伝えられたグループ

そして2週間後、大学生たちは研究室に戻り、動機と態度を評価するアンケートに回答し、記事の内容に関するテストを受けました。

教えることは子供の興味関心を高める

結果として、テストのために仕方なく勉強しているグループよりも、他の人に教えることを前提に勉強しているグループの方が成績がよかったのです。

脳科学的にいうと、心理的プレッシャーによって緊張状態になると、脳内物質のノルアドレナリンが分泌されます。ノルアドレナリンが分泌されると、集中力・記憶力・思考力・判断力等が高まるそうなので、記事の内容を他の人に教える前提で勉強した方が効果が高まるというのは納得ですね。

さらに面白いことに、他の人に教えることを前提に勉強したグループの方が、テストを前提に勉強しているグループよりも、その記事の内容に対して興味や楽しみを見出していることがわかりました。

【対策】子どもをミニ先生にしてあげよう

他の人に教えることを前提に勉強する方が、成績もやる気も高まるなら、子どもたちに勉強してもらう前に「あとでその内容を教えてよ!」と伝えたらよいのではないでしょうか?

もし、子どもにやる気がなくて困っているというなら、子どもに「やる気を出して!」や「頑張って!」とプレッシャーをかけるよりも、「ミニ先生になって教えて!」と伝えた方がいいと思います。

<参考>
Benware, C. A., & Deci, E. L. (1984). Quality of learning with an active versus passive motivational set. American Educational Research Journal, 21(4), 755-765.
Weiller, C., Jüptner, M., Fellows, S., Rijntjes, M., Leonhardt, G., Kiebel, S., … & Thilmann, A. F. (1996). Brain representation of active and passive movements. Neuroimage, 4(2), 105-110.