子供が我慢できないことに悩む理由はこれ

心理学者のロイ・バウマイスター教授らの研究によると、何かを頑張ろうとするとき、一見異なる・関係のなさそうな行動と同じ精神的な資源を使っているというのです。

例えば、バウマイスター教授は実験から以下のような結果がわかりました。

<実験結果1>
魅力的なチョコレートの代わりにラディッシュ(大根)を食べることを強制された学生は、チョコレートを食べた学生よりも、難解なパズルを解くことをあきらめるのが早かった。

<実験結果2>
感情を抑えると、言葉遊びを解くパフォーマンスが低下した。

<実験結果3>
高い自己規制を必要とする最初のタスクにより、人々はより受動的になった。

つまり、「使うとなくなる精神的な資源の限られたプールを利用している」ということがわかったわけですね。これを「自我消耗(Ego Depletion)」といい、仕事で疲れたあと、ついつい食べ過ぎてしまう。といった経験もこの自我消耗で説明することができます。

我慢することにもエネルギーを使うわけですから、子供が我慢できないのも仕方ないですよね。

子供に我慢をさせる方法

なので、先ほどもお伝えしたように、我慢するにもエネルギーを消費してしまうので、我慢できていない状態の子どもに「我慢しなさい!」と言うことがどんなに無駄かということがわかると思います。

それよりも、どんな時に「自制心や何かをやろうという意志力」が回復するかを知っておくと便利です。

実は、先ほど研究には続きがあり、最初の我慢する行動をした後、コメディービデオを視聴した人やサプライズギフトをもらった人は、悲しい気分のときや何も刺激がないとき、または短い休憩をとった人よりも、さまざまなことに対して自制心を働かせることができることがわかりました。

つまり、子どもに我慢してほしい場合、無理に我慢するように言うよりも、楽しいとか嬉しいといったポジティブな気分にしてあげて、子どもが我慢できる環境を作ってあげるといいと思います。

<参考>
Baumeister, R. F., Bratslavsky, E., Muraven, M., & Tice, D. M. (1998). Ego depletion: Is the active self a limited resource?. Journal of personality and social psychology, 74(5), 1252.

Tice, D. M., Baumeister, R. F., Shmueli, D., & Muraven, M. (2007). Restoring the self: Positive affect helps improve self-regulation following ego depletion. Journal of experimental social psychology, 43(3), 379-384.