
こんにちは。たいせいです。
なかなか勉強してくれないという子どもにご褒美をあげて勉強して欲しい場合、
- 「テストで良い点数取ったら、ご褒美あげるよ。」
- 「本を読んだら、ご褒美あげるよ。」
という2つのご褒美のあげ方を比べると、
どちら方法が子どもの学力を高めることができるのかということをお伝えします。
『勉強しない』子供に勉強させる方法

ご褒美と子どもの学力に関する研究をしているのが、ハーバード大学のフライヤー教授です。
フライヤー教授らの実験は大きくわけて2つあります。
- 一つは、テストの成績などの「結果」に対して、ご褒美を与える実験
- もう一つは、本を読んだり、宿題をしたりなどの「準備」に対して、ご褒美を与える実験
結論から言うと、子供に勉強してほしい場合、本を読んだり、宿題をしたりしたことに対してご褒美をあげることが大切だそうです。
「結果」に対してご褒美を与える子育てがうまくいかない理由
なぜ、成績などの「結果」に対してではなく、本を読むなどの「準備」に対して、ご褒美をあげることが効果的なのでしょうか?
理由は、「結果」に対してご褒美を与えられたところで、具体的にどうすればテストで良い成績が取れるのか分からないからです。
たまたま学期の中間テストでは良い点数が取れたとしても、学期末テストでも同じように良い点数が取れるとは限りません。
もし学期末テストで悪い点数を取ってしまったら、ご褒美をもらえないという不確実性の高いことにやる気になれというのも無理があるのではないでしょうか。
それでも「結果」に対してご褒美を与える場合
また、ニューヨーク市立大学のロドリゲス准教授によると、
もし、テストの成績などの「結果」に対してご褒美を与える場合は、成績を上げる方法を具体的に教えてあげる必要があるそうです。
ご褒美が子供の勉強に対するやる気を奪う?

しかし、ご褒美を与えて、たとえ一時的に勉強するようになったとしても、ご褒美を与えなくなれば勉強しなくなってしまうのではないか?という心配がでてきます。
この点に関しても、フライヤー教授は実験をしており、
実験後のアンケート調査で、勉強に対するモチベーションに関して、ご褒美を与えられた子どもとそうではない子どもを比べた結果、統計学的に有意な差は見られなかったそうです。
つまり、ご褒美を与えたとしても、勉強に対する興味や関心を失わせるわけではないということです。
なので、なかなか勉強してくれないという子どもにご褒美をあげて勉強して欲しい場合、
「テストで良い点数取ったら、ご褒美あげるよ。」と伝えるよりも、「本を読んだら、ご褒美あげるよ。」と伝えてあげる方が子どもの学力が上がる可能性は高まることが考えられますね。
<参考>
中室牧子. (2015). 「学力」 の経済学. ディスカヴァー・トゥエンティワン.
Fryer Jr, R. G. (2011). Financial incentives and student achievement: Evidence from randomized trials. The Quarterly Journal of Economics, 126(4), 1755-1798.
Allan, B. M., & Fryer, R. G. (2011). The power and pitfalls of education incentives. Brookings Institution, Hamilton Project.
Gneezy, U., Meier, S., & Rey-Biel, P. (2011). When and why incentives (don’t) work to modify behavior. Journal of Economic Perspectives, 25(4), 191-210.